第4章 揺れる想い
……あの後、翔くんと一緒にいるんだよな…
時計の針は深夜2時を回っていた。
軽く酒を飲んできていたし、慣れない仕事のせいで、疲れてくたくたなのに…なぜだろう?
…眠れない。
俺は何度もベッドで寝返りを打った。
………どう思ったかな?俺の、あんな姿…翔くん…
見られたく…なかったのに…
学祭で、カフェをすることに決まり、最初は『おかまバー』で決まっていた…
でもそれがいつの間にか『メイドカフェ』になって。
割と小柄で、衣装を着てもそれらしく見えるだろうという輩ばかりがメイドをすることに…
勿論俺も駆り出され…
嫌だって言ったのに…
絶対翔くんには見られないようにしなきゃって、そう思ってたのに、さっさと見つかって…
今日、もしかしたら俺が帰るの、家で待ってて、散々揶揄われるかも…なんて心配してたけど…
そんな心配、いらなかった。
『記念に!』
って、ツーショットまで撮ってったくせにさ、それを俺のLINEにも送ってこないで…
潤と何してんだよ、全く…
………
…まあ、何って…決まってるか…こんな遅いし…
あのホテルに、行ってるのかな?
……翔くんとよく行くって、潤が教えてくれた等々力のホテル。
電車から見える、シンプルな造りのホテルだ。
……潤、何でそんなこと俺に話すんだよ。
俺は興味なさそうに、『あ、そっ』とだけ言った。