第18章 amends ~償い~
「こんばんは~」
「まあ、潤くんいらっしゃい!」
下が騒がしくなったので下りて行くと、
潤が白い箱を抱えて玄関に立っていた。
「上がって~♪」
歓迎の母親から、チラリと俺に視線を移してから、
少しだけ恥かしそうに目を反らせた。
……潤…あれは、ここに泊まる気だな~?
ったく…分かり易いヤツ…
30分って時間は風呂だったんだ…
潤はまだ半分濡れた髪で慌てて来たの丸分かり。
そんな分かり易い潤の行動が可愛くて、俺は知らずと笑顔になった…
「あ、これ、沖縄の知り合いが送ってくれたんです。
半分持ってけって、母さんが…」
「まあ、これ有名なヤツよね~?嬉しっ♪
さ!入って~、潤くんも一緒に食べよう~」
母さんに招かれて、お邪魔しますと靴を脱ぎ、
俺の横に並んだ瞬間、そっと手を伸ばしてお尻を掴んだ。
「ぁっ…」
不意打ちに、小さく声を出した潤は、俺を睨んで唇を尖らせた。
……全く…どんだけ可愛いんだよ、お前…
これが、あのJと同一人物なんて。
俺は、笑いながら肩を組んで、潤と一緒にリビングに入った。
……今度潤に会ったら…
俺はどんな顔したらいいのか?
何て言うモヤモヤした不安は、
潤がアイスと共に連れてきた爽やかな風で
一瞬にして吹き飛んだ。
親父も入れて4人で潤の持ってきたアイスを食べた。
小さい頃から潤がお気に入りの母親は、
嬉しそうに潤と話している。
明るくて素直な潤は、小さい頃から家に来ている時の方が、自然だったのかもしれないな~
きっと、今だから思うんだろうけど…
「潤…今日泊まってくよな~?」
頃合いを見てそう言うと、潤は
「えっ?ああ…どうしようかな~?」
と、一応迷って見せた。
最初っからその気のくせにさ~
「明日の朝、早くないんなら泊まればいいよ」
親父も何気に潤を可愛がってるんだ。