第18章 amends ~償い~
潤のおばさんの口調は、女の子のようで…
この前、潤が見せたような…
今、おばさんは、高校生に戻ってるんだ
「二人を見ているのは、辛かったね~」
「…辛かったよ~?いつも、二人の横で…平気な振りして、笑ってて…心が張り裂そうだったの///」
「ふたりに、どんな嘘をついたの?」
「……」
急におばさんは黙ってしまい、後から後からぽろぽろと涙を零した。
「……大学生になった私たち…私…博を家に呼んだの…
パソコンの設定を、して…って…
博は、何の疑いも持たずに家に来てくれた…」
ドキドキする……
俺、聞いてていいのかな?
「…私、部屋で、博に抱いてと…
一回だけでいいからって…そしたら忘れるから、って…
でも博は、のり子がいるからダメだって…
私が、そこまで言ってるのに///」
息が乱れて、苦しそうなおばさんの背中を、先生は何度も優しく擦った。
見てるだけでも、息が詰まる
「…私、死ぬって……そう言ったの…
抱いてくれなきゃ、明日、死ぬから…って…
酷いでしょ?そんなこと言って…私……
でも…どうしても私、博が…
一度だけでいいって、そう思ってたのに…
博に抱かれたら、私…
私、どうしても彼が、欲しくなって…
のり子になんか、渡したくなくって、それで…
それで……
子どもが出来た、って…嘘を…」
その嘘のせいで、のり子さんと別れた博さんは、
美穂さんと付き合った。
そして美穂さんは、流産したって…
始めからいなかったのに、
子どもを失って悲しむふりをした。
そんな美穂さんに、優しい博さんは、しっかりと寄り添ってくれた。
大学在学中に、二人は結婚し、
卒業して1年後、智が生まれた。
見た目には、幸せそのもののような家庭には、
誰にも言えない秘密があったんだ
それは……