• テキストサイズ

Baby blue【気象系BL】

第18章 amends ~償い~




「穏やか?それとも激しい?」
「……激しい子、です…」

激しい??
潤が?

そんな姿、家では全く…

それとも、おばさんは気付いてた??
潤の本当の姿に…

「具体的に、どんなふうに激しい性格でしたか?」
「…潤は、私のことが、嫌いでした…
私が何か叱ったりすると、憎しみの籠った目で、私のこと…睨み返してきて…」

「よく、潤くんのこと、叱ったんですか?」

「よくではありません…潤は、家ではいつも張り付けたような笑顔で…」

……そう、潤は笑ってた…
いつでも…どんな時も…
家族の中では笑顔で…

「それが、堪らなく嫌だった…」

えっ??……嫌だった、って…


目を閉じたおばさんの顔が、苦悶に歪む

「どうして、嫌だったんですか?潤くんのこと」

「………」

「じゃあ、質問を変えましょう
潤くんのことは。可愛いと思わなかった?」

「そんなことは…潤は家に来たとき、フランス人形のようでした…男の子なのに人形なんて…
でも、本当に綺麗な顔で、可愛くて…でも…」

東山先生は、黙っておばさんの言葉を待った。


「……潤を見てると、思い出さずにはいられないんです…忘れたいのに…忘れることが出来ない……
私の……罪……」


つみ…??

罪って、いったい…?


悲しげに閉じられた目から、涙が溢れだした。


「私は、博さんが好きだった。
高校に入った時から同じクラスで、その頃からずっと、博さんだけが好きだった。

それなのに、3年になって編入してきたのり子が…

三人は、それぞれ別の大学へと進学し、
大学生になって直ぐに、のり子と博さんは付き合いだした。

悲しかった…
苦しかった…

どうして私じゃないの??
なんでのり子なの?

って……私、どうしても諦めきれなくて。


ふたりに、最低な嘘を……

/ 412ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp