第18章 amends ~償い~
何度イッたのか分からない…
最後には、上になって、夢中で腰を振って、
自らJの猛りを貪った
達しても、達しても、まだ足りない
後から沸き上がって来る、熱病にも似た欲情…
これが……俺??
少し前まで、知らなかったのに…
潤を抱くことが当たり前で、
まさか自分がなんて…夢にも……
だけど……
「なあ、翔…」
ソファーの上に寝ころんだまま、Jの胸に凭れる俺は、もう動くことさえ億劫で…
目を閉じたまま、なんとか返事だけはした。
「…ん?…なに~?」
「病院行くのさ~、もう止めれば?」
「えっ??」
何でそんなこと……
「別にいいじゃん…潤も、俺も、翔とこうして身体を繋げば、それで幸せで…それで満たされるんなら…」
「だって、潤は病気で…」
「死ぬわけじゃないんだし…潤は知らないままでイイじゃん!病院に行って、治療すれば治るとも思わないけどさ」
「そんなことないよ!きっと治るって…
東山先生ならきっと…」
「治って、普通になることが、必ずしも幸せなことじゃないとしたら?」
………なに??Jは何が言いたいの??
「…J…どういう…」
「あ、やべっ///こんな時間じゃん~
終電間に合わないよ~!急ごう!!」
結局、Jが何を言いたいのか分からないまま、
俺たちは大急ぎでシャワーをし、
濡れた髪のまま店を出た。
怪しげな輩の屯す華やかな街、渋谷…
その街の、裏の、またその裏路地を、
Jは俺の肩をしっかりと抱いて、急ぎ足で歩く。
下衆な輩の冷やかしの声も、
今の俺たちには聞こえない…
J……何を考えてるの??
そっと盗み見たJの横顔には、
その答えは見えなかった。
なんとなく……
東山先生のとこで、Jに会うのが、怖かった。
Jはいったい、何を語るんだろう?