第18章 amends ~償い~
雅紀……あいつ…
画面から、ゆっくり顔を上げると
Jは俺をじっと見ていた。
でも…
その眼差しは、さっきよりも柔らかくて…
俺が差し出した携帯を受け取ったJは、
「はあ~…全くあいつさ…
そんなこと、雅紀に言われなくたって、分かってる、っつ~の…あのお節介やろうが…」
「J…俺、Jに隠すつもりなんかなかったんだ
俺は…俺の意思で、雅紀と…でも…」
「でも?」
「………」
「言ってやろうか?
『でも、潤には知られたくない』…だろ?」
「……J…」
「あいつは直ぐに傷付くからな~…
それに、あいつ、翔のこと、異常に好きじゃん?」
Jは笑いながら…俺を上目遣いに見つめる。
「…Jは?……Jは好きじゃないの?」
「え~、凄い自信~、翔くんって♡」
茶化してふざけるJに、
「俺は好きだよ、Jのことも…潤のことも…
例えJが俺を好きじゃなかったとしても…」
………
Jの視線が熱い…
俺を射るようにじっと見つめるJの眼差しが…
「雅紀の過去って、そんなに悲惨だったの?」
「J…知らないの?」
「知らない…苦労したんだ、っていうくらいしか聞いてない…ニノなら、知ってるのかもね~」
そうなんだ…雅紀、Jには何も…
「翔ってさ、不思議なんだよね~…なぜか弱みを見せてしまう…必死で守って来た、触れられたくない部分さえ…翔になら見せてもいいって……
そんな気になるんだよね~」
Jはそう言ったかと思うと、俺の腕を掴んで引き寄せた。
バランスを崩した俺は、
Jの腕の中に倒れ込んだ。
「…翔…俺だって好きだよ…翔のこと…
そんなこと、翔だって分かってったはずだろう?」
俺は小さく頷いた。
「だけどさ、潤は…あいつのことは傷つけるなよ…あいつはもう、十分過ぎるほど、傷ついて来たんだから…」
J……
Jだから…
他の誰でもない、Jの言葉だから、
ずっしりと重く、俺の胸に響くんだ…