第18章 amends ~償い~
「……雅紀が…言ったの?」
「そんなこと、どうでもいいじゃん」
「…J…」
Jは白々しいほどの大きなため息を吐いて、
ソファーに深く座った。
その側で、言葉も無く立ち尽くす俺…
遣り切れない沈黙に、唇を噛んだその時…
「翔ってさ…誰とでもすぐに寝るんだ…」
「そんなこと///」
「そうじゃん、実際…」
Jの目が…
Jの深いパープルの瞳が俺を射抜く…
「…そんな奴じゃないと、思ってた俺は、アホだな」
………
「……J…俺は…」
その時、Jの携帯がLINEの着信を告げ、
Jは画面をタップした。
…………
暫くその画面を見ていたJの表情が、ふっと緩んだ。
「雅紀から…ほらっ」
Jは雅紀からだというLINEの画面を開いたまま、俺に携帯を差し出した。
……読んでもいいの?
そんな目でJを見ると、
「大したもんだな~…一度寝ただけで、雅紀はすっかりお前の味方だもんな~」
………
Jから携帯を受け取りその画面を見た。
雅紀からの、長い文章には……
『J どうか、聞いて欲しい
翔は何にも悪くないんだ
この前Jに問い詰められて
翔を抱いたと話したけど
翔は俺の身の上話を聞いて
一緒に泣いてくれたんだ
そして レイプしようとしていた俺に
こんな自分が雅紀の癒しになれるなら
って…そう言って俺を包んでくれた
翔って、本当に大きいやつだって
そう思った
Jが俺じゃなくて、翔なのも
この時痛いほど分かったよ
どうか翔のことを責めないで欲しい
悪いのは全部俺だから
翔は…翔ならきっと
Jの心の傷も癒してくれるよ
俺じゃ、全然役不足だったってことだね
こんなのJは分かってるかも知れないよね
余計な事だったかも
ってそう思うけど
どうしても伝えたかったんだ
J
翔と幸せになって
俺はそれを祈ってる』