第18章 amends ~償い~
【翔】
「久しぶりだね…」
「……J…」
「何で来なかったの?」
「…J…」
「もう、俺が嫌いになった?」
「J…あの…おれ…」
雅紀とニノを両側に侍らして、
Jが大声で笑った。
「翔…さっきから何だよ~///
好きな人の名前100回呼ぶと想いが届く〜♪…とかいうやつ~?
俺の名前しか呼んでないじゃん…」
J……
お前はなんで、そんな……?
いったい、どういうつもりなの?
俺と潤が病院に行ったことも、全部…
全部分かってるんだろ?
なのに…それなのにお前は…
雅紀は、じっと俺の事を見ている
ニノも…
俺と雅紀に起こったこと…
ニノも知っているはずだ…
俺は…
「J…話がしたいんだ…二人で」
「何の話?」
「ここでは…ちょっと…」
視線が絡み合う…
ニノと雅紀もじっと成り行きを見守っている。
「……いいよ、じゃ、VIPに行こうか」
「うん…」
ボックスシートを出てきたJは、
俺の側まで来ると、俺の手を引き寄せ、
不意に唇を重ねてきた。
「んんっ///」
咄嗟に逃げようとしたけど、
頭を抱え込まれて身動きが取れない。
直ぐに入り込んできた舌を、受け入れるしかない俺は、身体を捩って、僅かばかりの抵抗をする。
「「キャーッ///」」
一緒にいた女の子たちが騒ぐ声に、
やっとのことでJの身体を押し退けた。
J…なんで、こんなこと…
今までのJなら、こんなこと、
こんな強引にはしなかったのに…
「そんな怒んなって♪」
何事もなかったように
俺の肩を抱いてVIPへと向かう。
外野の冷やかしの声に、Jは手をひらひらと振って応えた。
「さてと。何飲む~?」
ドアが閉まると、Jは俺を見もしないでそう言った。
「J…俺のこと、怒ってるの?」
「…翔は、俺が怒る様なことしたんだ?」
「…それは……」
Jが、じっと俺を見つめる…
「…雅紀に、抱かれたんだってな」
Jが、吐き出すように言った。