第17章 その葛藤の先に
「潤。Jは、潤の中の別の人格なんだ。」
別の……人格…?
聞いたことはある…
でも、実際にそれが自分の中で起こってたなんて。
俄かには受け入れがたい…
でも…
そう言われれば……
辻褄が合うことが多いことに、改めて気付く。
記憶のない時間に、俺とは別の人格を持った、Jという男が、『俺自身の身体』で行動する…
「あの…J、っていうのは、どういう…?」
気になる。
俺が知らない『オレ』がどんな人間なのか??
翔くんはじっと俺を見つめて唇を噛んで俯いた。
……なに??
何か俺に言いにくいことがあるの?
「翔くん…知ってるんでしょ?教えて?
Jが、どんなヤツなのか?翔くんと出会って、二人はどんな関係だったの?」
……そこまで言って、ハッとした。
翔くんは、まさかJと…!?
「ねえ、翔くん!!」
「……Jは、潤、お前とは正反対で…
いつも、男も女も、Jの周りにたくさん居て…
そのくらい、Jは魅力的で……
おそらく、俺が出会う前は、色んな人と付き合ってた」
「付き合ってた?」
「うん…」
それって///
つきあうって……つまりそう言うこと、だよな?
「……翔くん…俺…俺…なんで、そんな…どうして、俺が」
「潤」
「だって俺、そんなの全然…」
「潤!」
「知らない間に…そんな、事…」
「潤!!」
翔くんが、俺の身体をきつく抱き締めてくれた。
だけど…
「離して!翔くん!!離してよ///」
「いやだ!」
「だって俺、翔くん以外の人と、俺…」
「俺も同じだから…」
え……?同じって…
「俺も…いや、俺の方が罪は重いよ。
だって、俺は俺のまま……」
…翔…くん…何を…?
「俺は、俺のまま、Jに…雅紀にも、抱かれた」