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Baby blue【気象系BL】

第17章 その葛藤の先に


【潤】

大学が終わって家に帰ると、翔くんがLINEで、

『今夜、いつものホテルで9時に会おう』
そう言って来た。

いつものっていうのは、二人が会っていた等々力のホテルのことだ。

前は頻繁にそこを使っていたけど、
この頃はお互いの家がほとんどだった。


『了解』

直ぐにそうレスしたけど…


翔くん……
何か考えてる?

俺に何か、伝えたいことが?


実は俺、誰にも言えないでいた疑惑がある。


『翔くんは、俺以外に付き合っているやつがいるんじゃないか?』


胸の中に、小さく灯った疑惑は、彼に会うごとに大きくなっていったけど、
翔くんに問いただすことは出来なかった。

だって、その時翔くんの目が泳いだら??
否定しながら、その表情が思い切り『そうだ』と言っていたとしたら??

そしたら俺はどうしたらいい!?


もう………

翔くんに裏切られるのは嫌だ。
堪えられない…

心が………
壊れてしまう

だったら、知らない方がいい。

翔くんと智が二人でいた…
あの瞬間の絶望にまた突き落とされるくらいなら…


もう一つ…

翔くんに話せない事があった。

俺の中で確信に変わろうとしている疑惑…

誰にも言えなくて……
誰にも相談できないでいる、あの不安…



「潤!!」
「わっ!!」

駅を出たところで、後ろから翔くんに肩を組まれて、俺は跳び上がった。

「び、ビックリした~///」
「何だよ~?その恐怖の表情は~?」
「恐怖なんて///急に来たから驚いたんだよ!
翔くんのこと考えてたから…」
「俺のこと~?俺の何を?」
「何って……」

翔くんは、俺の耳元に口を寄せて、小声で、
「潤のエッチ♡」
少し笑いながら言った。


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