第16章 turning point~転機~
激しく…でも、優しく…
Jは俺を何度も高みへと誘ってくれた。
J……
俺…俺は、Jが好きだ。
今日、はっきりと分かった。
知りたいからとか、興味とか…
そんな言葉で濁したのは、自分の不貞を認めるのが嫌だったから…
自分がそんなことばっかりの、軽いやつだって、
誰とでもすぐに寝るって…
その事実を認めたくなかったんだ…
やってることは、正にそんななのに。
ベッド仕様の大きなソファーで、
ことが済んだ俺たちは、身体を寄せ合って抱き合っていた。
いつまでも、こうして居たいって…
言葉なんか何の意味も無い…
こうやって寄り添って、肌を重ねていれば…
「そろそろ、ここ…出ないとな…」
「あ、そっか…そうだよね…」
ここじゃなくて、ずっと一緒にいてもいい場所で…二人で朝を迎えてもいいところで、
Jと愛し合いたい……
それは、叶わないのか…?
「…シャワーする?」
「Jは?」
「そうだな~、ざっとするか?翔も一緒に、どう?」
「うん…」
手を繋いでシャワールームに入った。
狭い中で二人、情事の後を消すように身体を洗った。
その時………
あ、あった…
Jの背中…肩甲骨の上……
そこは正に俺が付けた場所だ。
少し薄くなり掛けてはいるけど。
それは確かに俺が潤に付けた痕だった。
……これで、はっきりした。
Jは、潤だ。
それが判明した今…俺はどうする?
その先に進むには、Jに確かめる必要がある。
シャワールームから出ようとするJに、
俺は声を掛けた。
「潤」
Jは、そのまま出て行った。
……反応、なし??
いや……ココで怯んじゃダメだ!!
もう後戻りできない……
「潤…潤なんだよね?…どうして…?
どうして、そんな…知らないみたいな顔してるの?」
…………
長い沈黙の後、Jがゆっくりと振り返った。