第16章 turning point~転機~
Jは、息さえできないような激しさで
唇を貪りながら、俺のジャケットを脱がせ、
シャツのボタンを器用な指先で弾いていく。
「…んぁ…J…んん…」
あっという間に俺の上半身を剥き出しにし、どちらのものか分からない唾液が首筋を這うと、
それを追うように
Jの舌先は唇から離れていく。
それを、ほんの少し寂しいと思ってしまう。
抱き締めたその腕を腰に回し
強く引き寄せられた。
そのせいで、後ろに反るような格好になった俺の胸を、Jの舌先が這う。
まるで、意思を持った別の生き物のように…
まだ柔らかい粒の周りを、焦らすようにクルクルと嘗め回されれば、自然と粟立つ俺のそれは、堅くぷっくり大きく立ち上がった。
「翔…気持ち、いい?」
「……内緒…」
……俺も相当ビッチだったらしい…
こんな女も言わないようなこと…平気で…
「でもバレバレだよ?……ほらっ…」
舌先で弾きだした粒を甘噛みされ、
思わず自分じゃないみたいな声が出た。
「…翔…可愛い…」
不意に、俺の身体を離したJは、部屋の隅に向かう。
あ……
「J!いいから…明るいままで…」
「え?…でも…」
この間、明るいのを俺が恥ずかしがって、ほぼ暗闇に近かったから。
Jは今度もそうしてくれようとしたんだろう…
「いいから…Jの顔、見ていたいから…」
「…そう?なの~…?」
だよな~…
この間は、もっと明るくしてシたい、っていうJに、
俺がどうしてもって譲らなかったんだ。
だけど……
明るい中で抱かれるのは恥かしい…
それは変わらないけど。
暗くしてしまったら、Jの背中に咲いているであろう、俺が付けた赤い痕が見えないから…
俺を見つめて、じっと考え事をしているようなJ…
「J…もっと…シテ、欲しい…」
強請るような俺の言葉に、Jは薄く笑って、灯りはそのままにして、俺をソファーに沈めた。