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Baby blue【気象系BL】

第16章 turning point~転機~




Jとニノと過ごす時間…
今思うとそれは、俺にとって、
何にも替え難い、幸せなひとときだった。

他愛もない話をして、
くだらないことで、腹を抱えて笑い、

そして、温もりを分け合い、
与え合うように身体を重ね……


人が見れば、歪んだ関係だったのかもしれない…でも、そんな時間が、俺にとって、何よりも大切だったんだ…

だけど………

不幸が身に沁みついている俺は、
そんな簡単なことが分からなかった。

その幸せに、気付けなかったこは
俺の愚かさ故だ。

今ある幸せに満足できない自分。
そんなのいつか終わってしまうと…

怯えてばかりいた。


そんな俺よりも、
明るくて、優しくて、素直で…

そんな翔にJが魅かれるのは当然のこと。

俺だって、こんな自分より、
翔を選ぶだろう…

いじけた自分…捻くれた自分のせいで、
Jは離れて行った…

当たり前だよな。



あの夜…
抱き潰した翔が意識を飛ばした後、ニノが来た。

酷い有り様でベッドに横たわる翔を見て、
ニノは愕然とした。


立ち尽くすニノを見て、我に返った俺は、
自分のしでかしたことの罪に気付いた。

「ニノ…俺……どうしよ…」

「雅紀…」

呆然とする俺の脇をすり抜け、
ニノは翔の身体に毛布を掛けてくれた。


「中、出して…あげなきゃ…」
「あ…うん…」

ふたりで、眠る翔の身体を綺麗にした。

その間、ニノは俺を責めることをしなかった。


後で話したら、俺の気持ちも理解できると…
自分はしないけど、こんなことをしてしまった俺の気持ちが、分かるから…
そう言ってくれた。

ニノ……

俺の側には、ニノがいたこと…
ニノといる時の俺は、幸せだったと、
その瞬間になって気付いた俺は、
何と愚かなのか……


翔……
ごめんよ……


もう、消せない傷を、
お前に残してしまったんだよね…



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