第16章 turning point~転機~
♪♪~♪♪♪
部屋でレポートを書いていると、翔くんからLINEが。
『今、何してるの?』
「激勉」
『マジで~?』
「マジマジ」
『じゃ、邪魔しちゃ悪いよね』
邪魔…?
それって、翔くんからのお誘い…とか?
「もう終わったよ」
終わっちゃいないけど、そう返信してみた。
『じゃ、家に来る?』
「え、翔くんひとり?」
『ひとりじゃないけど~』
な~んだ…一人じゃないんだ…
って///俺、何期待して…
「今から行くよ」
『待ってる~』
大急ぎで、この前ネットで買ったローションを袋に入れて、出掛けようとすると、
部屋を出たところで、智と鉢合わせした。
「わあっ///びっくりした~」
「俺だって…潤、出掛けるの?」
「あ、うん…」
「…翔くん家?」
「うん……」
「…そっか……気を付けて」
「気を付けるって、隣だよ~?」
「あ~、そっか…そうだね…ははは…」
「多分、泊まるから…」
「…分かった…」
何だかちぐはぐな会話だ…
仕方ないけど…
また、前みたいに、笑い合える日は来るのかな~?
智……
ごめんね…
智は、いつも俺のこと、心配して、
一番大事にしてくれてた…
分かってたよ…
小さい頃からずっと。
でも、素直にそれを受け入れられないのは、本当は俺にとって一番の不幸な事だったんだよね…
でも、もう……
「潤くん、いらっしゃい!!
翔~?潤くん来たよ~♪」
おばさんに呼ばれて、翔くんが2階から降りてきた。
「潤、いらっしゃい…」
下だけ履いたその姿に、心臓が跳ねた。
「翔、何て恰好してるの~?もう…」
「いいじゃん、別に。潤だし♪」
お茶を入れるというおばさんに、
翔くんは、これから二人で映画を観るから、と断った。
「潤、行こ!」
「…うん…お邪魔しま~す…」
翔くんに手を引かれ、階段を上がった。