第15章 消えぬ想い
見つめ合う俺たち。
「ほら、さっさとしろよ…
終電、間に合わなくなるぜ~」
覚悟を決めた俺は、
シャツのボタンに手を掛けた。
こんなこと、どうってことない…
別に、怖がることでもない。
シャツを脱ぎ、
下に着ていたTシャツを脱ぎ捨てる…
雅紀は、何も言わずじっと俺を見ている。
デニムのボタンを弾き、ファスナーを下げ、
そのままズボンを脱いだ。
下着一枚になったところで、
流石に少し躊躇いがあって俯いた。
「…まだ残ってるだろ?いつまで時間かかってるんだよ?安っぽいストリップじゃあるまいし~」
……唇を噛みしめ、最後の1枚も脱ぎ、
全裸になった。
拳を握りしめ、目を閉じる。
「…こうやって改めて見ると、やらしい身体してんじゃん…翔……この身体で、Jを誘惑したの?」
そう言いながら、雅紀が立ち上がって
俺に近付いて来た。
「じゃ、俺の下も脱がしてくれる?」
………言われるがまま、膝まずいて
雅紀のズボンを下げた。
目の前に黒いボクサーが現れ、
そのまま固まる俺に、
雅紀は俺の手を自分の腰のゴムに持っていった。
……脱がせろってことだよな…
両手で黒い下着を下げると、
まさきのソレが目の前に………
思わず目を反らす俺に、
「そのままじゃ出来ないからさ、
入れられるようにしてくんない?」
「え…?」
「え、じゃねーよ……あ、その前にさ、
翔の方の準備しちゃうか?」
そう言って、雅紀は棚の引き出しからローションのボトルを出してきた。
「ほら…」
え…?ほらって……?
「いちいち素人みたいな反応すんなよ!
後ろ、自分で解して用意しろって言ってんの!」
………自分で……?
雅紀の言葉に、足元の砂が崩れていくような、
そんな感覚に膝が震えた。