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Baby blue【気象系BL】

第15章 消えぬ想い




「そうだったんだ…雅紀、いつも太陽みたいに明るいから、俺…全然、そんなこと…」

「太陽??…それだって、施設で身に付けた、
護身術みたいなもんさ…
良い子にしてたら…笑っていたら、
先生たちも優しくしてくれるからさ!」

そう……

施設に暮らす奴らは、
みんな心に闇を持っていた。

いつも大人の顔色ばかり窺って……

事情は様々だけど、幼くして親元を離れざるを得なかった子どもたち…

みんな…愛情に餓えた目をしてた。


そんなところにいるのが嫌で、
中学を卒業し、高校進学と共に施設を出た。

金を貯めて、いつか弟を呼んで、
二人で暮らしたい…

そう思ってがむしゃらに働いた。


バイトを掛け持ちし、
夜は寝る間も惜しんで英単語を覚え。

…高校に行っても、いつも眠かった…



そんな時だった。

俺たちを捨てた母親が、愛人を殺したのは…
信じた男には、ちゃんとした家庭があったんだ…

俺たち家族はみんな、世の中中の不幸を
全て引き受けちまったみたいだった…


高校で、人殺しの子どもという目で見られ、
もうそこにはいられなくなった俺は、
自主退学した。

付き合っていた彼女も、
急に電話番号を変え、俺を避ける様になって、
それで終わった。


………仕方ないさ。
それが俺に与えられた宿命なんだから…

誰も恨むことも、羨むことも止めよう…

それでも必死に生きて来たんだ。


そんな俺の、唯一の幸せな時間が、
Jとニノとの時間だった。



でも………
もう、それも無い///

俺には、何もないんだ…

何も……



「…雅紀…俺に、何が出来る?
……俺は、どうすれば、雅紀に許してもらえる??」


翔が泣いている。

俺の身の上話を聞いて、
安っぽい同情の涙を流してる……

その、偽善者の顔を、
…思いっきり汚してしまいたい……




「翔…お前を、抱かせろよ…」



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