• テキストサイズ

Baby blue【気象系BL】

第15章 消えぬ想い




「潤のこと、裏切ることは出来ないって…
いつもそう思ってる…けど…
どうしても、Jと潤が別人だって思えなくて…
それで…俺…」

「それでJに抱かれたって言うの?
Jのこと、好きでも、ない、のに?」


声が振るえる……


翔は俯いて、何かを考える様に目を伏せていたけど、ゆっくりと顔を上げ、俺を見つめた。

その目に迷いはなくて……

「俺…Jのこと、好きだよ…」
「嘘だ」
「嘘じゃないよ…ただ…Jを通して潤を見てるのか、潤とJを重ねて見てるのか?…自分でも分からないんだ…」


「それで…どうだったの?」
「どう…って?」

「Jは潤だったのかって、聞いてるんだよ!」

翔の煮え切らない態度に、どうしてもイライラする気持ちを抑えられない…

そんな、自分で分かんない気持ちで、
Jの思いを受け止めたって、そう言うのかよ?


そんなの…
そんなこと……

「Jは……潤だよ…でも、潤じゃない…」

はっ??意味が解んね~よ///

「Jでいる時は、潤じゃない…」

「何を訳の分かんない事言ってるんだよ!!」
「まさき…?」


だめだ…

こんなこと言うつもりなんかなかった…
翔は悪くない…

こんな風に責めたら、
自分が惨めになるだけだ。
分かってる…

分かってるけど……


俺の中の闇が、背中を押す…


『翔を壊してしまえ』と……


「俺の目を見て、はっきりと言えよ!
『Jが好きだ』って…Jのことが好きだから抱かれたんだって…そう言ってくれよ…
そうでなきゃ……俺は…俺の気持ちは……」


もう止められない…
俺の中の『魔』///


「雅紀…雅紀も…Jのこと…?」

何かが、俺の中で音を立てて崩れた。


/ 412ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp