• テキストサイズ

Baby blue【気象系BL】

第15章 消えぬ想い





「お邪魔しま~す」
「どうぞ」

「へえ~、雅紀の部屋ってこんななんだ~」

こんなって何だよ?
古くて狭くててびっくりしたのかよ?

「綺麗に片付いてるんだね…物も少ないし…」

片付いてる?
そうじゃないよ…必要のないものを買う余裕がないだけ…ゲームやCDなんか、買う余裕も…

「俺の部屋なんか、もので溢れててさ…
いつも片付けろって、潤に…」

「潤?」
「あ、うん…隣に住んでる…」
「友達?」
「ああ、まあ、そんなとこかな…」


俺は翔のために、冷蔵庫からつまみになりそうなものを皿に盛りテーブルに置いた。

「ありがと、雅紀」

俺たちは一緒にプルタグを引いて飲み始めた。


他愛もない話をするうちに、

「なんか、暑いね~」

そう言って翔がTシャツの上に着ていたパーカーを脱いだ。

すると、首筋に赤い痕が……
それって、その痕って…

「…翔…それ…」
「えっ?どれ…?」
「首筋に…キスマーク…」
「マジで??」

翔は慌てて両手を首に回し、赤を隠した。


………息が詰まる…
…手が、震える……

全く、あいつ…なんて言いながら、翔はまたパーカーを羽織ってしまった。


「それ…Jが?」

やっとの思いで、搾りだすように言った。
すると翔は驚いたような顔をしてから、

「どうして…それを…?
あ、でも、これは違うよ…」

「違う?違うって、J…じゃ、ないの?」
「……Jは、こんなこと、しなかった…」
「じゃあ、誰が…?」

鼓動が大きくなる…

この間、AsteriskでJに抱かれたはずの翔に
誰か別のヤツが……

キスマークを残しても、気付かないほどの、
そんな関係のヤツが…翔に、いるって?

翔は困ったように、少し赤くなって、

「これは、多分潤が…」

そう言って、パーカーの布地越しに首筋を撫でた。


/ 412ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp