第3章 悪戯
部屋に入ると、俺はすぐさまベッドにダイブした。
「はぁ~、酔ったかな~…」
「そんなに飲んでないじゃん、翔くん…」
潤がゆっくりと横に来て、立ったままそう言った。
「潤…おいでよ…」
手首を掴んで軽く引くと、潤は丸いベッドの端に腰を掛けた。
「もっとこっちに」
今度は強く引くと、潤は俺の横に倒れ込んできた。
「スイッチ・オン!」
おれはベッドの横に着いているボタンを押した。
すると、ベッドは音もたてずに回り始めた。
「…翔くん…」
回転ベッドは俺たち二人を乗せて、ゆっくりと回る。
「…潤…」
そっと頬に触れると、潤は長い睫毛を下ろした。
……キスを期待してるその顔…赤い唇が艶めかしい。
そこにそっと触れるか触れないかの強さで唇を落とすと、潤は甘い吐息を漏らす。
その先を期待する甘い息遣い。
俺は彼の肩をベッドに縫い付けて、何度も何度も啄むように口づけた。
誘うように唇を開くけど、その誘いには敢えてのらない。
ただ何度も何度も角度を変えて、華のような唇を味わった。
「…んっ…ふっ…んん…」
潤の声はどんどん甘さを孕んでいき、おずおずと舌を覗かせた。
……そこで俺は、潤の身体を離した。
「しょお…くん…?」
「潤…キス…好き?」
「……うん…」
「ふふっ…や~らし🎵」
揶揄う様に笑うと、潤は真っ赤になって反論する。
「翔くんだけだよ!!翔くんだから、大好きで…
大好きだから…キス、したい…のに…」
首まで赤くして、そんなことを言うから…
可愛くて…
つい、苛めたくなっちゃうんだよね…