第14章 desire〜欲望〜
しばらくいつもの仲間と飲むと、
Jは、いつものようにVIPに行こうと誘ってきた。
今夜は珍しく、雅紀もニノも来ていない。
断る理由なんかない。
俺の返事を待たずして立ち上がったJの後について、俺もVIPへと向かう。
「楽しんでできてね~」
俺に『Jと寝ないのか』と聞いて来た女の子が
俺に向かって手を振った。
VIPで二人きりになると、
「今日は何飲む?」
Jはカウンターでグラスを出しながら振り返った。
「…あのさ、今日、体育の授業で卓球してさ。
超汗かいたから、シャワーしてもいい?」
「卓球?」
Jがパープルの瞳で俺をじっと見た。
心の奥底まで見透かされてしまいそうな、
濃い紫色……
「うん、そう!俺何気に卓球の才能あってさ~、びっくりだった…」
「へえ~、意外」
今までも、このVIPでシャワーしたことはあったけど、今日は、少し目的が違う。
目的っていうのとも違うか!
目的って、変だよな、やっぱ…
自分で自分にツッコむ。
……Jを…知りたい…
その思いは日に日に強くなり、
今日は自分の中で大きな決心をしてここに来ていた。
それは……
熱いお湯が肌を滑り落ち、ボディーソープのいい匂いがシャワールームに満ちる。
泡立てた手のひらで、身体の隅々まで洗う…
………今まで、触れたことのなかった場所も…
何かを期待しているのか?
よく分からない…
その先に何が待っているのか。
Jが俺を…俺の気持ちを受け入れてくれるのか。
怖くないというのも嘘になる。
潤には躊躇いなくいつもしていることなのに、
いざ自分が、ってなると、正直尻込みする…
潤が知ったら悲しむんじゃないか…?
それもある。
でも……
潤は……
そんな全てをかなぐり捨ててでも、
俺は…
俺は………
Jが何者なのか、知りたいんだ。