第3章 悪戯
「あれ〜?潤じゃん!」
通り掛かりに気が付いた体で、潤がいる合コンの集団に声を掛けた。
「しょう…くん…」
振り返って唖然とした表情を浮かべる潤に、
俺は出来るだけ屈託なく、無邪気を装った。
近付いていくと、
『キャッ///』そこにいた女の子二人が慌てて両脇に避けた。
「飲みがあるって言ってたけど、ここだったんだね~。偶然!俺もここで飲んでたんだよ~🎵
……あれ?お邪魔だったかな~?」
そう首を傾げ、ニッコリすると、
ぽかんと口を開けて俺を見上がていた女の子が、
「じゃ、邪魔だなんてとんでもない!よかったら、こっち来て一緒に飲みませんか~??」
そこにいた女子4人は、落ち着きなく席を立ったり俺に愛想を使う。
潤を除いた3人の男子は、少し迷惑そうな、困惑顔を隠しながら席を作ろうと立ち上がる。
潤は……
「…なんで?…翔くん…」
ぶつぶつ言いながら少し蒼ざめている。
……フフフ…そんなに心配しなくても、
合コンしてたこと、問い詰めたり怒ったりしないよ~?
だってさ、
そんなの潤の自由でしょ?
合コンしようが、女の子と楽しく過ごそうが、それは潤の自由な時間な訳だし…
俺がとやかく言う事でもない…そうでしょ?
「ごめんね~、俺も仲間と飲んでるんだ~。」
あんまり楽しそうだったから、つい声掛けちゃって…!続けてね♪」
そうにっこりすると、お女子たちは、明らかにがっかりと肩を落とした。
「楽しんできてね❤」
俺は彼の耳元でそっと囁くと、軽く手を挙げて背中を向けた。
潤の呆然とした視線を背中に感じながら…
俺はニヤニヤが止まらなかった。