• テキストサイズ

Baby blue【気象系BL】

第13章 encounter〜出会い〜



…………


聞き返さなくても分かっている。

さっきのヤツっていうのが、翔だってこと。

ここに呼ぶって言う事が、どういうことかってこと。


そして、
Jがそんな風に興味を持ったのは、
俺がJに出会ってから、

翔が初めてだってこと。


「なあ~、聞いてんの?」

「あ、うん…聞いてるよ?」

「あいつ、お前の友達なんだろ?」


喉が張り付くようになって、上手く話せない…


「あいつ、って…」

「櫻井翔…もう一度会いたいんだ~」


Jはそう言って、何でもない事のように笑った。


頭ん中に、Jの言葉がハウリングしていて、
俺の思考を奪っていく。


何も応えない俺のことなんか、
気付かないのか、知らんふりなのか、
Jは一人、オードブルの生ハムを頬張りながら続ける。

「あいつ…可愛い顔してたよな~?
雅紀、もしかして狙ってたの?
なら丁度いいじゃん🎵

俺に味見させてよ…泣き顔…見てみたいんだよね~」


…………


絶対に聞いているはずのニノは、
相変わらずピクリとも動かない。

俺はただ、ひとりで楽しそうなJの横顔を、
じっと見つめているだけだった。


………翔を……


何でここに連れて来たんだろう?

Jのことを、翔に自慢するつもりででもいたのか?

それとも逆に、俺にだってこんなちゃんとした友達がいるんだって…
仲間に自慢したかったのか?

自分の滑稽さに、もう笑うしかない…



よく考えれば分かりそうなことだったのに。


翔に…

Jが翔に興味を持つかもしれない…ってこと…

/ 412ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp