第12章 irony of fate 〜運命の悪戯〜
戸惑い、違和感を抱えつつも、
流されるままに始まったニノとの関係……
Jを中心に、いびつな不等辺三角形を描く俺とニノ。
本当はJに言いたかった。
『俺だけ愛して』
『俺だけを恋人にして』
だけど…
そんなこと言って、
あっさり切られてしまったら、
そう思うと怖くて…
とても言えなかった。
一番じゃなくても…
俺だけじゃなくても…
それでもJの側にいたいって…
Jと会えなくなるなんて、耐えられないって…
そう思っていた。
だから、ニノとも…Jに言われるがままに身体を重ねた。
Jが俺とニノのセックスを見ながら、
酒を飲んでることもあった…
異常だ。
狂ってる…
そう分かっていても…
俺は抜けられない底なし沼に、
どんどん沈んでいったんだ…
「…ああ…J…お願い…」
強請るニノ…
「J…もう…欲しい…あっ…」
俺ももう限界で…
「ニノ…雅紀に突っ込めよ…」
「……うん…」
ニノにお尻を向けて四つん這いになる俺。
ソコに、ニノがでかいヤツで、一気に貫く…
そして、ニノの後ろから、Jが…
「「あああぁっ///」」
Jがニノを穿つその振動が、俺まで伝わって来る…
突っ込まれているのはニノなのに、
Jを感じるだけで、痺れるほどに感じるんだ…
狂ってるからね…もう、俺…
Jのあの濃いパープルの瞳に魅せられた、
その瞬間から…
プライドとか、理性とか、
倫理とか、世間体とか……
がんじがらめになっている世の中のしがらみから、
解放された…
そんな感じなのかもしれない…
ひとつ、救われたのは、いつもニノだと言う事。
他のヤツや女を連れて来られても、
俺は拒否できないのに…
幸い、俺の相手は、いつもニノだった…
俺は、どんどんJに溺れて行った。