第12章 irony of fate 〜運命の悪戯〜
「… … シヨ…」
「えっ??」
耳元で囁かれたけど、何て言ったのか聞こえなくて。
聞き返して、Jの方を見た。
直ぐ近くに…そう、距離にしたら15㎝くらい…
近すぎる!って、緊張する間もなく、
Jの唇が俺のに重なった。
えっっ??
なに??…
何が起きた!?
「フフフッ…雅紀、キスするときは、目、瞑れよ~」
「あっ、そ、そっか」
慌ててぎゅっと目を閉じる俺を、
「そういうところが、堪んないんだよね~」
と笑いながら、顎を少し上向けて、
そっと唇を落とした。
たったそれだけの事で、脳髄まで痺れて、
何も考えられなくなってく……
Jの唇は麻薬だ。
優しく啄むように唇を食べられ、
身体が震えだす。
そんな俺を抱き締めて、口づけはどんどん深くなる。
入ってきたJの舌を迎え入れ、絡めあって吸い上げる。
飲み込めなかった唾液が首筋に伝わった。
舌を絡め合う、卑猥な音が、
心臓を揺らす激しいビートに搔き消される。
強く抱きすくめられて、泣きそうだ…俺。
今ここで、
どうしてこんなことしてるのか?
もう俺の思考は停止状態で、何も考えられない。
ついさっきまで、言葉も交わしたことがなかったのに…なのに…今…こうして…
「雅紀…エッチなこと、シヨ❤」
「えっ??」
今度ははっきり届いた。
エッチなこと、って…
今だって十分エッチじゃん///
これ以上?もっとエッチなことって…
その時、俺の脚の間を、Jがスルンと撫でた。
「フフフッ、雅紀、少し大きくなってるね♪」
嘘だろ!?
そ、そんなはずは…
さっきまで痺れていた頭の中で、少しだけ、
ソコに意識を持って行くと、
………ホントだ…
俺、勃ち始めちゃってるんだ///
さっきのキスで…