第11章 空蝉
あっという間に、風呂場で裸の俺たち。
潤は頭を泡だらけにしてガシガシ洗っている。
俺もその隣で身体を洗いながら、そっと潤を見た。
無駄のない綺麗な筋肉…
上半身だけ日焼けしてるけど、山小屋で脱いでたこともあったのかな~?
そうすると、当然腰を境に下半身は相変わらず色白で。
……ほんとに、男らしい、魅惑的な身体…
「何見てんの~?」
目を瞑って頭を洗ってる筈の潤に、
ズバリ突っ込まれてしどろもどろの俺。
「えっ?い、いや…み、見てないし…」
すると、頭の泡を洗い流して、
濡れた髪を後ろに掻き上げた潤が、
「さっきから、翔くんのエロい視線、ビシバシ感じちゃってるんだけど…」
「は?ばっ、ばか!ちょっと見てただけだし…」
「ふふふ、やっぱ、見てたじゃん♪」
……こいつ…(・へ・)
潤は鼻歌を歌いながら、今度は身体を洗う。
……潤が、何考えてるのか、相変わらず分からな過ぎて不気味だけど、俺も頭を洗った。
泡を流して、ふと見ると、
潤が泡だらけの手で、後ろを洗ってるのを見てしまった。
ドキンッ///
俺の心臓が、少しだけ跳ねた。
……何考えてんだ、お前!!
帰って来て早々って///
節操なさ過ぎだろうが…
それに、俺たち、まだ、なんていうか…
「よし!綺麗になった~♪お先~」
そう言って、勢いよく湯船に飛び込み、お湯が飛び散った。
「ちょっ///潤、静かに入れって!」
「へへへ、ごめ~ん(^^♪何か嬉しくなっちゃって」
「何がそんなに…」
「だって、それ…」
潤が指差す先には……
少しだけ質量を増した俺が…
おまえ……///(。-`ω-)
さっき跳ねたのは、心臓だけじゃなかったらしい。
お前はそればっかかよ///
持ち主無視して期待する自分のに手を焼きつつ…
俺は静かに潤の隣に沈んだ。