第2章 幼馴染
「1時になる…そろそろ行こうか?3号館」
「うん…ファッションショーなのかなぁ?智は…」
「さぁ~?」
岡田くんに言われた場所に行くと、何人かの呼び込みが見えた。
近付いていくと、女の子ただと思っていたのは、女装した男子学生。
スカートから伸びた筋肉質の脚は、手入れされたのか脛毛が一本もなかった。
「…あのぉ~…」
「いらっしぁ~い♪お二人様ね~?」
ピンクのワンピースにレースのエプロンの男子が、俺と潤を迎えてくれた。
「…大野…智は~…」
「えっ?な~んだ。大野のお客さんか~。あいつ、呼び込みもしないで、客連れてくるとは、流石だぜ!」
そう言って俺たちにウインクした彼は、
ちょっと待っててね!と、中に入っていった。
「智くんいるのかなぉ?」
「さあ~…」
「何だよ~?呼び込みなんかしないって言ってるだろ…」
さっきの彼に連れられて出てきたのは…
「智…」
「智くん…」
呆然とする俺たちに気付いた智くんは、驚いて目を見開いた。
「どうして、ここに…?」
「智くんこそ、その格好…」
俺の言葉に、智くんは思い出したように自分の姿を見返して、やべっ///と、慌てて教室に引っ込んだ。
俺と潤は、ニヤリと笑い合って、
急いで智くんの後を追った。