〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第75章 純華溺愛恋情論《前編》❀明智光秀❀
────ダ、メ、ダ、
「そのような事は、駄目だっ……」
俺は呻くように呟き。
くるりと踵を返した。
そんな事は、させられない。
美依が俺以外の男の色に染まるなど。
許せない、許し難い。
そんなのは……認めない。
だって、
だって、俺は──……
────あの小娘を、狂う程に愛してる
俺は、店の扉に手を掛けた。
そのまま中に入れば、薄暗く妖しい空気が肌を纏った。
美依、お前は他の男にはやれない。
今まで、ずっと見守っていた。
見ているだけで良かった。
俺にすら、お前を汚させないと──……
一歩離れた位置で、お前を見てた。
でも……
もう、我慢などしてやれない。
お前が欲しい、美依。
他の男の物になど、なるな。
お前は、俺のものだ────…………
その時、しんしんと雪が降り出した。
俺の心に積もる、想いのように、
儚い結晶が、その世界を作っていく。
染まりし、淡紅の心
俺に極彩色を見せたお前に
今度は俺が、魅せるために
動き出した世界は、
玉響(たまゆら)も離れぬ恋心
この身を焦がして、純に咲き誇れ
純華溺愛恋情論【前編】終
純華溺愛恋情論【後編】に続く──……