〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第74章 望月の恋人《後編》❀徳川家康❀
「……俺、だって……」
「え……?」
「……っっ」
俺は美依に覆いかぶさると、強引に顔を覆う腕を退かした。
見えたのは、兎みたいな真っ赤な瞳。
あんたは兎みたいに、弱い人間だから。
俺は弱い奴は嫌いなんだよ、美依。
────でも、あんたはすごく、すき
「俺の目、見て…美依」
「家康……」
「解るでしょ、あんたに情を持てないこと」
「嘘っ、違うよ……!」
「……」
「そんな痛そうな目をして、何を言ってるの?!」
(痛いよ、すごく痛い……)
あんたと離れるなんて、身が切れそうなほど痛い。
でも、あんたが死ぬ危険に晒されるのは、もっと痛い。
そっちのが俺は耐えられないから。
あんたが陽だまりみたいな笑顔で笑えるなら……
いくらでも『嘘』はつける。
「うるさいな、本当に最後の最後まで面倒だね、あんた」
俺は美依の膝裏に手を掛けると、グイッと上に大きく開かせた。
そして、片手ではだけた袴から昂りを取り出す。
それは、美依を求めて、もう限界まで硬く反り上がっていた。
開かせた脚の中心に、その先を当てがって、ぐりぐりと動かし先を埋めて。
もう、これ以上は堪えられなかった。
美依が欲しくて欲しくて……
繋ぎ止められないのを解っていても、その躰に種を残したいと、みっともない本能が疼き出す。
「もう、最後だから、美依」
「嫌、違うよ、家康……!」
「違わない、あんたはあんたの世に帰るんだ。それがあんたの為だ、一番いい方法だよ」
「私の一番は、家康の傍に居ることだよ!」
「……っ」
俺の躰の下から、美依が見上げてきた。
泣きながらも、意志の強い瞳。
純粋で、汚れてない、綺麗な眼差し。
俺が惚れた、大好きな大好きな黒く光る宝石。
「一人で現代に帰ったら、心が死んじゃうよ!もう、二度と笑えない…私の幸せは貴方の傍にある。貴方の隣以外、私の居る場所はないの!お願い家康、考え直して。こんなの嫌、家康だってそうでしょ……?!」