〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第73章 望月の恋人《前編》❀徳川家康❀
────美依、最後の悦を楽しみなよ?
そう囁いたのを合図に。
家康は、私の着物を暴き始める。
私は頭が混乱して、何が何だか解らずに。
それでもこんなのは嫌だと抵抗したけれど……
家康の力強い手で、身体は押さえつけられ。
今までされた事のないような、乱暴な手つきで私を奪っていく。
「やだ、家康っ…やぁっ……!」
「好きな俺にされるなら、嫌じゃないでしょ?存分に甘く啼きなよ…美依」
────いつしか、濃紺の空には望月が浮かんで
雲に霞むことも無く、冴え冴えと……
私達を見守るように、蜂蜜色に輝く
私は必死に泣き叫びながら
それでも愛しい人の手に堕ち……
抗う事も出来ぬまま、飲まれて行った
『美依…ごめん』
そんな行為の合間に
愛しい人がそう囁いたような気がした
けれど激しい熱情に、それを問うことも出来ず
私は身を堕としながらも……
必死に、貴方の愛情を繋ぎ止めようとしていた
『愛してるよ』と
それだけをひたすらに繰り返しながら。
望月の恋人《前編》終
望月の恋人《後編》に続く──……