〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第71章 君しか見えない-純-❀伊達政宗❀
────ねぇ、私のどこがすき?
特別美人でもない、特別スタイルも良くない
加えて、確かな経験もない
どこからどう見ても平凡な私を、
何故貴方はこんなに愛してくれるんだろう?
貴方は素晴らしい信念を持っていて
人を惹き付ける魅力があって……
私には、勿体ないくらいの恋人だ
ねぇ、貴方になら、全て捧げられるよ
もう少しで勇気が出るから、待っていて
満足はさせてあげられないかもしれないけど
等身大の私で愛すから
私は私なりに、貴方を愛してみせる
だから、私をたくさん愛して
普通で平凡な、一人の女の子を
ねぇ、政宗──……
「んっ…はぁっ、ぁっ……」
頭がボーッとする。
唇から与えられる愛情が、熱すぎて。
もう、くずぐずに崩れて、溶けそうになってしまう。
今日、私は恋人である、政宗の御殿に泊まりに来た。
恋仲になって……初めてのお泊まり逢瀬。
政宗は私に美味しい料理を振る舞ってくれ、お互いに湯浴みを済ませて……
今は部屋でのんびりしていた。
でもね、恋仲で、夜にお泊まりで。
必然的に『そーゆー甘い空気』になってしまうのは、目に見えている事。
だって、すでに今だって……
政宗が私に口づけ、ぐずぐずにしようとしているからだ。
「ぁっ…んんっ、んぅ……」
「んっ…美依……」
自然と甘い吐息は漏れ出し、政宗は僅かな隙で名前を呼んでは、また唇を塞ぐ。
絡められる舌、全てを奪うような、その動き。
政宗は口づけが上手すぎる。
思考回路まで蕩けさせるような、そんな濃厚で甘い口づけをくれるから。
全て流されそうになってしまう。
「あっ……」
その時、政宗が膝に乗っている私の身体を、褥にゆっくり押し倒した。
柔らかな布団に背中がつき、指を絡められて褥に縫い付けられて。
見上げてみれば、熱を孕んだ青い瞳が揺れていた。
欲情してる、それがありありと解る表情。
政宗はふっと口角を上げ、艶っぽく笑った。
「いーい顔だな、美依」
「……っ」
「今すぐ、溶かしてやる」
政宗は片手で私の身体を撫で始める。
本当なら、その愛撫に身を任せればいいのに……
口づけられ蕩けたはずの私の頭は、途端にハッキリとしてしまい、思わず身体を強ばらせた。