第69章 〖誕生記念〗満ちる月、君を想へば❀伊達政宗❀

「美依」

「なに…政宗」




俺は人差し指を差し出すと。
その指先で、つーっと美依の唇をなぞった。










「ここで、俺自身を満足させてくれよ…な？」










「……っっ！」


途端に、美依の顔がさらに薔薇色に染まる。
俺が言うことが、何を意味しているのか……
俺に散々付き合ってきた美依は、聡く察したようだった。

その顔に煽られ、その『象徴』がビクリと震えて、熱を持つ。

酒を飲み、美依の肌に触れた時から……
躰はじんじん痺れて、感覚はもう鋭くなってる。

早くなんとかしてくれないと…おかしくなってしまいそうだ。




「なぁ……いいだろ？」

「ま、政宗…つまり、そのっ……」

「お前が想像してる通りの意味だ。誕生日の贈り物は、それでいい」

「贈り物は、別に用意して……！」

「なら、それも貰う。俺は…お前に気持ち良くして欲しい。もうお前の尻に当たってんの、解ってんだろ？これ以上俺を焦らすのか」




俺がそう言うと、美依は困ったように眉をひそめ、なんだか泣きそうな、そんな表情になり。

それでも、俺の示唆することを叶えようと、おずおずと俺の膝の上から降りた。




「ほら…着物を脱がせろ」

「え、そこから……？！」

「ああ、お前を許さなくてもいいなら、やらなくていいぞ」

「い、意地悪……！」

「なんとでも言え、ほら、早くしろよ」




急かせば、美依は納得いかないような顔をしながらも、遠慮がちに長着の帯に手を掛けてくる。

しゅるり……の衣擦れの音と共に、帯が引き抜かれれば、美依の細い指が肌を這い。

するりと長着が、肩から滑り落ちた。
外気に素肌が触れれば、肌は緊張して過敏になり。
と、同時に我慢していた熱は、雄々しく勃ち上がり、俺の脚の間から姿を見せた。




「あー…もう先っぽ、ぐっしょり」




それを見て、思わず苦笑が漏れる。
すでに先走りをトロトロと溢れさせる俺自身は、すっかり硬くなって、ビクビクと震えながら聳(そび)え立っていた。

俺自身を満足させてくれ。
それは美依の唇で、この熱を癒してくれと。

すなわち、口淫を意味したものだ。