〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第65章 お兄ちゃんじゃいられない!❀光秀END❀
「せっかく秀吉さんがみんなで呑もうって言ってくれているのに、光秀さんは嫌なんですか?」
「美依、あのな……」
「秀吉さんは光秀さんと仲良くしようとしてくれてるのに…光秀さんは違うんですね」
「そーゆー訳では……」
「もう、光秀さんなんて知りません!秀吉さん行こう」
「おい、美依っ……!」
へそを曲げてしまった俺のお姫様は、かつての恋敵の手を取り、ずんずんと歩き出す。
何故、こうなる。
俺はお前との時間を過ごしたくて、少し遠慮してもらおうとしていただけなのに。
(秀吉と二人きりになんて、させられるか……!)
俺の可愛い美依。
お前は俺だけのもので、触れていいのは俺だけで。
お前の無防備な姿は、俺だけが見る姿なのだから。
だから、知らないなんて言うな。
へそを曲げるお前も可愛らしいが、でも。
────その愛らしい姿は、全て俺だけの為に
「待て、美依!俺はただ……!」
「ほんと、光秀さんは困った人なんだから!」
「話を聞け、美依!」
「知らないったら知りません!」
「お前達……喧嘩するなよー」
俺はお前に振り回されてる。
みっともないくらい、惚れ込んでいるから。
それは、お前だからなんだぞ。
その可愛らしい仕草、表情。
躰を重ねた時の、艶っぽいお前も。
夏の太陽に負けないくらい、俺を焦がす。
だから、もう少し自覚してくれ。
自分がどれほど愛らしか。
どれほど他人を惹き付けるか。
お前は……たった一つの眩しい光なのだから。
「解った、解った!三人で呑めばいいのだろう?!だから、俺を置いていくな、止まれ美依っ……!」
お前には敵わない。
そして、今日も見事にハマる。
お前と言う罠に、安土の中でも策士のこの俺が。
深みにハマって、囚われていく。
俺は、美依の後を追いかけながら……
こんな日が続いていくのだろうと直感し、また深くため息をついたのだった。
《お兄ちゃんじゃいられない!/ 光秀END》
終
✿...*゚すぺしゃるさんくす
わきの様