〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第64章 お兄ちゃんじゃいられない!❀秀吉END❀
「……寝ちまうとか、美依はほんっとに……」
可愛らしい顔で眠る美依を見下ろし、苦笑しか漏れない。
まぁ、元々酒に酔っていたんだし。
達して疲れたのもあるはずだから、眠くなっても当たり前か。
そう思い、そっと美依を抱き締めた。
そして、今更ながらに畳の上で抱いてしまった事に気が付き、美依の躰を褥に運ぶ。
まだ熱く、火照った躰。
あんなに艶っぽく乱れていたのが嘘みたいに、眠る美依は幼く、そして愛らしくて……
一緒に褥に寝転びながら、溢れ出す愛しさに満たされ、口元が緩むのを止められない。
(……起きたら、みんな忘れてたとか……それだけは無しだぞ、美依)
そんな事を思いながら、目を閉じる。
腕の中の温もりは、温かく柔らかい。
それを堪能しながら、俺の意識は急加速して落ちていった。
温かさに包まれ、見た夢は……
鮮やかな世界に、陽だまりみたいな笑顔の美依。
そんな、史上最高に幸せな夢だった。
────…………
「えっ…秀吉、さんっ……?」
(……ん………?)
びっくりしたような声に気がつき、俺はすーっと意識を浮上させた。
腕の中に、まだ温もりはある。
それを確認しながら、ゆっくり瞼を開き、ぼやっとする視界が一点に焦点を結ぶと……
びっくりしたような、困ったような。
そんな美依の表情が目に入ってきて、俺は柔らかく笑みながら美依に話しかけた。
「おはよう、美依」
「お、おはよう……」
「身体、大丈夫か?」
「大丈夫、だけど、そのっ……」
(ん、なんだ……?)
不自然に視線を泳がせる美依。
どこを見たら良いのか、解らないと言ったような……
そう思って、改めて今の体制に気がついた。
お互いに素っ裸で抱き合い、朝日も入って今やその肌や何やらは、鮮明に目に入ってくる。
なんだ、恥ずかしいのか。
そう思い、まだ温かい美依の身体をぎゅっと引き寄せ……
額同士をくっつけながら、俺は美依の目を覗き込んだ。