〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第62章 狂華-kuruibana-《後編》❀伊達政宗❀
(────って、あんな姿晒した後じゃ、遅いか)
ぬくもりが移る。
柔らかい美依の唇から、全てが絡み合って溶ける。
体温も、心も、何もかも。
俺が欲しかったもの。
それはきっと、全てを越えた愛しさ。
曝け出した先に見えた──……繋がりと優しい愛情。
「美依、ありがとう」
「え……?」
「みっともない俺を見せても、傍に居てくれて。俺の子を、宿してくれて……ありがとな」
「…っ、当然でしょ。どんな姿でも、政宗は政宗だから」
「ん、ありがと」
「でも、もう縛るのはやだ。しばらくは禁止」
「それは当たり前だろ。でも……」
「なんかあったら、また爆発するかもな。俺は自分で解らねぇ感情もある、お前をもっと繋ぎ止めたいって思ってる。歪んでてもなんでも…お前に溺れてるってことだ。だから、お前も溺れてくれなきゃ困る。お前だけが…唯一の女だ、美依」
────愛しさに抗う術はない
こいつが必要だとおもったら、もう
何がなんでも手に入れなきゃ気が済まない
馬鹿みたいだろ?
でも、それが赤裸々な想いだから仕方ない
それはお前へだけの特別な感情
狂い華が咲くが如く、淫らに可憐に
迫り上がる想いは、鮮やかに色づくのだ
『私も政宗に溺れてるよ、馬鹿みたいに』
そう言った美依は、本当に純な華だ
これからも俺が水を注いで、愛でて愛でて
俺自身に縛って、離しはしない
耳に残る、美依の甘美な啼き声は
今日も頭の中で響いてる
でも、今は耳鳴りはしない
きっと、満たされているからだ
飢えた心に、水を
俺には、お前の熱を
今日も気持ちイイくらいに感じさせてくれ
蜜に濡れた、望月に照らされながら
暴かれた熱に、浮かされていく。
《狂華-kuruibana-〖後編〗/ 伊達政宗》
終