〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第61章 狂華-kuruibana-《前編》❀伊達政宗❀
「政宗、話を聞いて……!」
「聞かない。言い訳聞くのは止めた…お前がやましい事をしていたのは事実だからな」
「ち、違っ……あ!」
俺は美依の衿元を掴み、強引に前を開いた。
真っ白な肌、何者にも穢されていないような……
それでも、その身は男を押し倒していた。
身体まで火照らせて……
その事実以上に、何を言うことがある?
────止まらない
闇夜より黒い激情が溢れて。
歪んだ情欲が俺を支配して、止まらない。
「今すぐ仕置してやるよ、美依。辱めて…お前が誰のものか、きっちり教えてやる」
「待って、政宗っ…だめっ……!」
「駄目じゃない。いつどこで抱こうが、俺の好きにする。お前は俺以外の男と絡み合ってた……許せねぇ。なぁ、美依……」
「────お前は、誰の女だ?」
青黒い焔が、俺を焼け焦がす。
何もかもを焼き尽くして、全て無くなれと。
軋んだ心が、悲鳴を上げる。
その時、昇ってきた月だけが。
薄明るく、儚げに美依を照らして……
浮かび上がった月影に、また嫉妬した。
美依を見ていいのは俺だけなんだよ。
月のくせに、美依を見てんじゃねぇ。
────美依は、俺のモンなんだよ
狂った熱情が、全てを歪ませる。
まるで、全てを壊すように──……
滾る熱は、漆黒の焔。
熱く燃え盛る…嫉妬と言う名の狂恋の形。
《狂華-kuruibana-〖前編〗》終
《狂華-kuruibana-〖後編〗》に続く──……