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〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀

第61章 狂華-kuruibana-《前編》❀伊達政宗❀





────『お前は、誰の女だ?』




政宗は絶対ヤキモチを妬かない。
いつだったか『俺は嫉妬しない』と。
そう話したのを覚えてる。

だから、いつもモヤモヤするのは私だった。

政宗の『好き』は、恋か恋じゃないかの線引きがない。
だから、好きなものには好きと言う。
触れたいものには、躊躇わず触れる。

そんな政宗の性格を、私は理解していた。


────だからね、こんな事になるのは予想外だった


いつも余裕のある政宗。
いつでも私を翻弄し、振り回して、
それは二人愛し合う時間ですらだ。

なのに…なんでそんな目で見るの?

熱情に駆られた、蒼い炎。
それは私を塵になるまで焼け尽くす。

政宗が初めて見せた独占欲。
この縛られた手首に食い込む紐と同じ、


私を丸ごと捕らえて縛り付けた、ある一夜のお話。























「ふふっ、政宗くすぐったいよ」



深緑生い茂る青葉城。
しとしとと、暗い空から雨が降る。
梅雨に先駆けての長雨が続いていた、その日の夜。

私は褥の中で、愛しい恋人の唇を背中に感じ、思わず苦笑を漏らした。

政宗と恋仲になって、少し経つ。
私達は、毎夜のようにお互いを求めて…
幾度となく、身体も心も重ね合っていた。

今も、散々愛し合った後で。
まだ気怠く火照った身体を、褥で休ませているとこだ。




「じっとしてろ…お前は本当に甘いな、堪んねぇ」

「もう……今日はもうしないからね?」

「解ってるって。あー…本当にイイな、お前の肌」




政宗は私を背中から抱き締めながら、首筋や肩、肩甲骨と次々に唇を優しく押し当てる。

こうやって愛し合った後も、政宗は優しい。
本当に愛されてるなぁって、すごく実感する。
事後の恋人に優しいなんで、政宗はいい男だな。



(あ、そう言えば……)



私はある事がふっと頭によぎり、身体をねじって、政宗の方に向き直った。

政宗の顔を見ると、蒼い目を不思議そうに見開いて。
口づけを途中で遮られた事が、疑問のようだった。

でもね、言わなきゃいけない事がある。
それは、政宗に隠し事はしたくないからだ。

私は少し唇を尖らすと……
若干拗ねたような口調で、政宗に言った。





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