第54章 尋常に勝負！－秘密の恋文－❀政宗END❀

「痛いか、美依」

「痛くは、ない、けどっ……」

「苦しいか」

「少し、だけっ……」




瞳に涙をいっぱい溜めて、答える美依。
まぁ、初めて入れたんだし、苦しいよな。

そう思い、一回肩から脚を外すと、そのまま左右に開かせ……
俺は躰を前に倒して、美依をぎゅっと抱き締めた。




「なら、馴染むまでこうして抱き締めててやる」

「ま、政宗……」

「ん、どうした？」




間近で揺れる、黒真珠の瞳を覗き込むと。
美依は首を動かし、俺の唇にそっと口づけてきた。

ほんの、掠めるだけの口づけで……
俺が目を丸くすると、美依はなんだが艶っぽく微笑んで。

俺の躰に腕を回しながら、馬鹿みたいに可愛い台詞を吐く。






「だいすき、幸せ……」






(……っ、なんでこーゆー時に……っっ)



初めてだから、優しくしたいと。
一生懸命張り続けている、一線。

がむしゃらに愛したくたって、そんなのは美依を傷つけてしまうから。

それでも、こうして無自覚に煽られては、たまったもんじゃない。
現に、また今、腰がぞくりと疼いて……

俺の滾った熱が、質量を増したじゃないか。




「……っっ、なんか、中で大きく……！」

「……やっぱり駄目だ、前言撤回」

「え……？あっ……！」




ずっ……ぐちゅんっ……


一回腰を引き抜き、ゆっくり奥を突き上げる。
すると、美依は回した腕に力を込めて、甘く啼きながら背中を逸らした。

もっと感じたい、美依を。
与えるだけじゃなく、一緒に気持ち良くなりたい。

そう思って、熱っぽく美依を見つめる。
堪えられない気持ちも、美依に感じてほしい。




「なぁ…動いても、いいか……？」

「あっ…まさ、むねぇっ……」

「ゆっくり、ゆっくり動くから……お前と、もっと一つになりたい。一緒に溶けたい、もっと」




まるでせがむように言うと、美依は涙目で見つめながらも、首を縦に振る。

苦しいよな、でも悪い。
もっとお前と、混ざり合いたいんだ。

そう、ドロドロになって、溶け合うまで。

お前と言う愛しい存在と一つになって……
もっと『愛してる』と躰で伝えたい。