• テキストサイズ

〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀

第53章 尋常に勝負!-秘密の恋文-❀秀吉END❀






「私、秀吉さんに求められて、嬉しかった。余裕のない秀吉さんが、本当に私を愛してくれてるのが解ったから。だから…もっとすきになったよ。私の前では、自分を取り繕ったりしないで。大人な貴方なんて、求めてない…そのままの秀吉さんが大好きだよ」







────顔が熱を帯びていくのが解った


可愛く可愛く笑う美依。
その美依の言葉は、俺のがんじがらめになっていた、心の鎖をとっぱらい……

そして、優しく染み入って、熱と潤いをもたらす。



(……っっ本当に、美依は……)



手に負えない。
素直な言葉、健気で真っ直ぐな姿勢。
それは……何もかもを、溶かしてしまうんだ。

まるで、雪を溶かす春のように──……






「────ありがとな、美依」






俺は改めて強く美依の肩を抱き直した。
そして、手に持っていた杯を置き、空いた手で美依の顎を救い上げる。




「本当にいい女だな、お前は」

「え……?」

「こんなにいい女、他にはいない」

「……っ、褒めすぎだから、それ」




若干口をへの字にする美依に、思わず苦笑し。
俺はやんわりと美依の肩を、後ろに引いた。

くんっ…と背中が後ろに倒れ、美依の背中が床につく。

俺は背中に月の光を纏い、美依を上から見下ろしながら……
やんわり微笑み、そして教えてやる。




「取り繕ったりしない。だから、全て本音だ」

「秀吉さん……」

「お前、手紙に書いただろ?出会った時から、俺に恋をしたって。俺も同じだ、でもずっと恋してたわけじゃなくて……」

「なくて……?」

「きっと、何度も何度も、お前に恋するんだ。可愛いお前を見るたび、気持ちを聞くたび、もっと好きになる。お前は、魅力的だよ、美依」




俺とお前が恋仲として歩んでいく道は、どんな道だろう。

喧嘩もするだろう、すれ違いもあるだろう。
でも、きっといつまでも、この想いは熱量を上げる。

いつか、俺達が『本当の意味で』結ばれて、愛し合った結晶が出来たとしたら……

その時は、その子に聞かせてやろう。
美依を取り合ってずぶ濡れになった今日の事を。

そのくらい、魅力的なお母さんなんだよ、と──……






/ 1230ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp