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〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀

第52章 尋常に勝負!-秘密の恋文-〖共通〗❀秀吉VS政宗VS家康❀





────茹だるような、暑さの中


走って、
走って。

すべては美依の想いを掴むために。

誰にも、絶対渡さない、
美依の心は俺のもの。

全てを手に入れる為、今はとにかく追いかけろ!

大の男三人が、子供みたいな純情を巡り、
『ある物』を追いかけて勝負したのは。


夏の日差しが照りつける、暑いある日の事──……

















「冷たい!おいしいスイカだね!」



政宗の御殿の縁側で、美依が嬉しそうに声を上げる。

その様子を見て…
内心『可愛いな』と思いながら、秀吉、政宗、家康も冷えたスイカにかぶりついた。

梅雨も明け、すっかり夏模様になった安土。
さんさんと照りつける太陽が、じりじりと肌を焦がす、今日この頃──……

秀吉、政宗、家康、美依の四人は、政宗が用意したスイカを、庭に面する縁側でそれぞれに味わっていた。




「そうだろ、お前の為に冷やしたんだ、美依」

「ふふっ、ありがとう政宗!」

「政宗、美依のはせめて一口ずつに小さく切ってやれ。女なんだからな」

「それは過保護って言うんですよ、秀吉さん……スイカは味が薄いな」

「おい、家康。俺が用意してやったスイカに、唐辛子をかけるな。普通に食え、普通に!」

「ふふっ、おいしーい!」




わちゃわちゃと四人で騒ぎながら、スイカを頬張る。
政宗の用意したスイカは、身がしっかり詰まって、赤々と熟していて…

本当に甘く、絶品のスイカだった。
食にうるさい政宗が、美依に食べさせたくて用意したのだが…

『二人きりにさせられない』と、秀吉と家康も、政宗の御殿に押しかけた。

それで、折角なら縁側で夏の風物詩を味わおうと、四人で肩を並べ、スイカを食べているわけだ。



「美依、塩をかけるともっと甘いぞ」



秀吉が隣に居る美依に、塩の入った小皿を差し出す。
美依はふふっと笑い、それを受け取った。




「ありがとう、秀吉さん」

「あ、唇に種ついてる、ほら…」

「わわっ…いきなり触らないで!」




肩をくっつけ、親密な空気を醸し出す二人。
そこに、美依の反対隣に座っている政宗は、ムッと眉間に皺を寄せ…

肩をぐいっと抱くと、自分の方に引き寄せた。




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