〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第51章 花時雨と恋情のアイロニー《後編》❀石田三成❀
「よし、昼餉でも食うか。用意するから食っていけ」
「わぁ、政宗様の料理なんて、贅沢です!」
「人参料理でいいんだな、三成?」
「え、それは……」
「俺の昼餉が食えないってか、三成」
「美依様も何とか言ってください!」
「……」
「美依様?」
「私が作る、人参料理の昼餉」
「本当ですか?!なら、喜んで食べます」
「なんだ、この変わりよう。腹立つな」
「仕方ないでしょう、美依様の料理はなんでも美味しいですからね」
────あれは、花時雨の出来事だった
私と、政宗様と、美依様。
三人の想いが絡み合い、そして、
三人の『皮肉』を生んだ出来事だった。
それでも、過ちは消えなくても。
私達は、歩いていく。
自分と、愛する人が作った道を。
想いの軌跡として──……
「美依様」
「どうしたの、三成君?」
「私の事も、呼び捨てにしてくださいませんか」
「へ?」
「駄目……でしょうか」
「……三成君が、私を普段でも呼び捨てにしてくれるなら、いいよ」
「解りました」
「美依、今日も貴女がだいすきですよ」
そして、想いは巡る。
貴女への愛を囁いて、
今日も、貴女へ想いを注ぐ。
美依。
美依……
この気持ちだけは、花時雨でも隠せそうにないから。
溺れる姿を晒していきましょう。
突き抜ける想いは赤裸々に、
心も躰も、深紅に染まりて。
煌り光る一番星に、刹那の未来を描くのだ。
《花時雨と恋情のアイロニー〖後編〗/ 石田三成》
終
✿...*゚すぺしゃるさんくす
夕逢様