〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第49章 私を見つけて、戯れに❀謙信END❀
「ぁあっ…出るっ、美依…………っっ!!」
────注ぐは身に巣食う想い
戯れに始まった美依との『かくれんぼ』
捕まえた姫は、愛らしく淫らな女だった
野に咲く、可憐な野花は
俺の手によって、白濁に染まり
そして、咲き誇る
淫靡な華びらを広げて
蜜華は朧の夜に、艶やかに色づく
「熱いっ…謙信、さまぁっ…もっと……!」
「素直ないい子だ、美依っ…!くれてやるから、もっと啼け…淫らに、俺だけの為に…!」
小さな山小屋の中で。
俺と美依は狂おしいほどに交わり合い、お互いを求めあった。
仄かな灯りが、微かに揺らめいて…
映し出す姿は、まるで淫らな獣のように。
いつまでも重なっては、崩れ落ちていった。
────…………
「謙信様、美味しいですか?」
「ああ、美味い。さすが美依の作ったよもぎ餅だ」
「良かったぁ…家康も美味しい?」
「甘い……」
「文句があるなら食うな、徳川家康」
数日後の晴れた日。
俺は家康の御殿の庭先で、美依の作ったよもぎ餅を食していた。
本来ならば、美依を春日山城に連れて帰り、俺のためだけに作らせたかったのだが…
美依が家康も一緒に食べたいと言うものだから、仕方なく家康の御殿を訪れた。
まぁ、かくれんぼで美依を見つけたのは、この俺だ。
俺の勝ちであるわけだから、家康の前で美依に口づけようが何しようが、文句は言わせぬが。
「ところで美依、風邪はもういいの?」
「大丈夫だよ、家康。ありがとう」
「全く…あの日帰って来ないかと思えば、一晩中山小屋に居たなんて…もっと美依を大事にしてよ、軍神」
「うるさい、何故お前に文句を言われねばならん」
「俺は文句言う権利あるよ」
「ほう…その理由を聞いてやる」
家康は縁側によもぎ餅の皿を置くと。
美依に台所に冷えた茶があるから持ってきて、と席を外させた。
何故家康が美依に命令するのか。
二人きりになった所で、二人で話す事などないのだが。
そんな事を思っていると、家康はため息をつき、最高潮に不機嫌になって口を開いた。