〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第48章 私を見つけて、戯れに❀家康END❀
────あんたは、俺の為だけに咲く華
濡れる花弁、揺れる腰も
戯れに吐息を啼かせて、
そして、想いがそっと降り積もる。
「いえ、やすぅ……!」
「美依っ…ぁっ…もう、俺……!」
「誰、よりもっ…大好き……!」
「うん…はぁっ…出るっ、美依っ………っっ!!」
────どぴゅっ!びゅくっっ……!!
窓の外はすでに、紅く陽が落ちて。
『かくれんぼ』は美依が俺の手の中に堕ちる事で、終わりを迎えた。
当然、お互い合意の上だけどね?
俺自身も、美依のものになったわけだから。
小さな山小屋では、色濃い蜜事。
交わる影は、いつまでも壁に映し出され……
俺達は狂おしくも、お互いを求め続けた。
────…………
「あ……これ、あんまり甘くないね」
それから数日後。
俺は美依手作りのよもぎ餅を御殿の縁側で食べながら、ふっと小さく笑みを漏らした。
美依が俺に食べさせたいと笑顔で持ってきたよもぎ餅は、春の青々のした匂いが香る、絶品の餅だった。
中の餡が甘さを抑えているあたり、美依が俺のために作ってくれたと言うのが、よく解る。
まぁ…美依の作ったものなら、なんでも食べるけど。
(そう思えるあたり、相当溺れてるな、俺)
「お砂糖をかなり抑えたから、食べやすいでしょ?」
「うん、ありがとう。さすがだね」
「えへへ、もっと褒めて」
『頭を撫でろ』と、俺に頭を向けてくる美依。
ああもう、本当に可愛い、可愛すぎて参る。
『いい子』と頭を撫でてやると、美依はさらに恥ずかしそうな笑みで、ニコニコと笑った。
それを見て、また幸せになる。
もっともっと頭を撫でて、可愛がりたくなる。
俺は、この瞬間の甘い幸せを噛み締めた。
もっと、こんな時間が続けばいいのに。
だが、たった一つ。
問題を上げるとするならば──……
「美依、確かに美味いな。俺も頭を撫でてやろう、こちらにおいで。春日山城に連れ帰って、俺の為だけに作るか?」
(軍神、お前さえいなければ…………!)