〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第47章 私を見つけて、戯れに〖共通〗❀家康VS謙信❀
────『かくれんぼ』って知ってる?
鬼を一人決めて、他の人は全員隠れて
鬼に見つかったら負け
そう、たわいない子供の遊びだ
けどね、本来のかくれんぼは、
『大人の遊び』なんだ。
女が隠れて、男が探して
そして、女を見つけた時には……
さぁ、どんな『戯れ』で遊ぶ?
秘密に戯れ、山小屋で、
淫らに色づく身体と吐息────…………
「美依、その棘のある花はなんだ?」
「アザミですよ、謙信様」
「あざみ…棘が刺さると危ない、傍においで」
「大丈夫ですよ、ふふっ」
(……なんでこんな事になったんだ)
空が蒼すぎるほど澄んだ、皐月の日。
なんだかいい雰囲気の美依と謙信を少し離れた場所で見ながら……
家康は何度目か解らないため息をついた。
今日は日和も良く、絶好の機会なので、山のふもとに薬草を採取しに来た。
元々、今日は美依と二人で逢瀬の予定だった。
それで見事に晴れたし、山まで足を伸ばし……
仲良く二人で弁当などを食べながら逢瀬をする。
……はずだったのに。
向かう最中、謙信にばったり遭遇。
俺も連れていけ、連れて行かなければ、ここで斬り捨て美依を連れて行く。
そう言って刀を抜かれてしまっては、謙信も一緒に連れて行くしかあるまい。
なんで安土の町に、敵国の大将が居たのか。
それは今は、とりあえず置いておいて。
『付いてくるだけなら構わない』と言ったのに、美依にやたらベタベタしているのが気に食わない。
あれは明らかに好意を持っている証拠だ。
謙信は女嫌いで有名なのに……
理由は解らないが、それでも美依に触れるのは絶対に駄目だ。
何故かって?
(────俺だって、美依の事)
「美依、ちょっとこっち来て」
家康は薬草を採取していた場所から立ち上がって、美依と謙信の元に近づくと。
美依の腕を掴んで、ぐいっと引っ張った。
そして、二人を引き離すように、ずんずかと歩いて謙信と間合いを取る。
少し離れた場所まで来ると、家康は美依にしゃがむように促し……
ある地面一帯を指差しながら、美依に話しかけた。