〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第45章 姫百合と艶やかな純情《後編》❀明智光秀❀
────蜂蜜色の月が俺達を見つめる
漂う雲が霞に、月を覆って
この狂った情事を見るなと
まるで目隠ししているように思えた
留まらない情欲
それは俺を駆り立て、美依を攻めて
火照った躰は、永遠に続くのかと
媚薬の解毒の仕方は
誰かに鎮めてもらうしかないと知っていても
それでも、終わりが見えない……蜜熱
「美依っ…もっと、寄越せ……!」
「ぁあぁぁっんっっ!光、秀、さんっ……!」
「また、出るっ…ぁあっ!美依……っっ!!」
「らめぇぇっっ!ぁあぁぁっ──……!!」
こうして、俺達は御殿の縁側で。
絡み合い、もつれ合い、繋がり合って……
二人して、馬鹿みたいに意識を吹っ飛ばした。
意識が戻った時はすでに朝焼け。
気怠い身体を引きずり、美依を抱えあげ……
褥に潜り込んで、さらに一緒に眠った。
この時俺は、いつも以上に安らかな気持ちで。
心に覆った仮面が、ボロボロ剥がれ落ちたのが解った。
美依に失態を晒したとか。
そうは思っても、恥じる気持ちはなかった。
きっと美依に浅ましい姿を見せた事で……
もう、余裕ぶった姿を見せなくて良いのだと。
閨の中でくらい、自分をぶちまけて良いのだと。
変に安心したからかもしれない。
『光秀さん、ごめんなさい……』
目覚めて、開口一番で謝ってきた美依。
俺は優しく身体を抱き締め、むちゃくちゃに抱いた詫びと、今まで悩ませた詫び。
そして、自分の本音を素直に打ち明けた。
お前の前で余裕ぶるのが大変だったと。
そうしたら美依は可愛らしく微笑み……
『光秀さんは困った人ですね』と、さらに苦笑した。
俺は俺が思うより、子供なのかもしれないな。
素顔を見せるのは、俺らしくないと。
家康並に天邪鬼になっていた。
まぁ、お前と居たらそれはひっぺがされるのだろう。
お前は媚薬を盛る、いけない子だからな。
それでも──……
ありがとう、美依。
そう言って口づけて、さらに奪ってやったら。
美依はまた、可愛らしく啼いてくれた。
────…………