〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第4章 華火と微熱と光秀さん《後編》❀明智光秀❀
『光秀さん』
『なんだ』
『いつからですか?』
『何が』
『いつから、私の事が好きでした?』
『そうだな……当ててみろ』
『えー、難しいなぁ』
『仕方ないな、では耳を貸せ』
『お前が何気なくやった事が、俺を大きく突き動かした。素直な笑顔も、柔らかい声も……お前の全てが欲しくなったのは、きっかけは些細な事に過ぎない。でも、俺はお前に惚れた。狂おしいほど……お前を好きになった。お前はそのままで居ろ、美依。ありのままのお前を……馬鹿みたいに、愛しているよ』
『光秀さん』
お前が俺を呼ぶ度に。
俺は狂おしく、お前に惹かれていく。
それはきっと、お前が運命の相手だからではないか?
こんなに焦がれるのは、きっと。
磁石のように惹かれあって出会った俺達が。
お互いがお互いでぴったりハマる、二枚貝だったのだと。
俺は、そう信じている。
甘味よりも甘く、華火よりもまばゆい。
そんなお前を──………
きっと俺は、この身に誓って、愛すだろう。
あの日二人で並んで見た、儚い華火。
むせ返るような、夏の日に。
共に過ごし、すれ違って、そうして歩いたお前との道。
お前の熱に浮かされ、倒れそうなのは俺の方だと。
お前もいい加減、気づいたほうがいいぞ?
そして紡ぐ、愛の言葉を。
お前だけに囁く。
俺を離さないなら、お前も決して離さないでくれ。
華火と微熱と美依。
いつまでも胸を焦がす、俺の大切なもの。
《華火と微熱と光秀さん》
終