〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第40章 《御礼作品》私のイケナイ執事さん《前編》❀織田信長❀
「……やめないで、くださいっ……」
────我慢、出来ない
もっと、もっと触れて欲しくて。
与えられた熱は、身体の中で滞って…
それを鎮めてくれるのを待っている気がした。
すると、私を火照らせた執事さんは。
また妖しく微笑み、自分の指先を噛んで、そのままするっと手を引き抜く。
残った手袋が、ぷらんと口元に垂れ下がり…
そんな仕草すら、やたら艶っぽく感じた。
「────貴女の仰せのままに、お嬢様」
手袋が口元から、ぽとりと落ちる。
そのまま手で顎を捕らえられ……
手袋を噛んでいた、その唇は、いつの間にか私の唇に重なった。
『お嬢様』と『執事』
ご褒美として、ちょっとした遊びとして。
始まったはずの戯れだった。
これが本当のお嬢様と執事だったとしたら……
この状況は、禁断の恋?
イケナイ事をする、秘密の関係?
こんなに格好良い執事さんが居たとしたら、
私は間違いなく、真っ先に恋をすると思う。
だから、教えて?
何も知らない、お嬢様に。
禁断の、甘い蜜の味を……
天主に響くは、甘美な悲鳴。
お戯れに、触れ合い、絡み合うならば。
トロトロに蕩けて、混ざり合ってしまいましょう。
甘く切なく、秘密の関係。
私と執事さんの、
秘めたる蜜事が、花開く────…………
《私のイケナイ執事さん〖前編〗》終
《私のイケナイ執事さん〖後編〗》に続く……