〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第40章 《御礼作品》私のイケナイ執事さん《前編》❀織田信長❀
「ぁっ…ぁあっ…んんっっ……!」
まだ真っ昼間の天主に、甘い声が響く。
私は先ほどから与えられている、甘い甘い刺激に堪えられるはずもなく…
みっともないくらい濡れた声を、馬鹿みたいに上げていた。
確かに、私がお願いした事だったけど。
『こんな状況』になるまでしてくださいと、頼んだわけではなかった。
そう、『彼』は完璧に演じている。
「おや…また蜜が垂れてきましたね……お嬢様?」
耳元で囁かれる、甘く低く艶を帯びた声。
熱を孕んだ紅玉の瞳は、悶える私を見つめ…
そして熱い手が身体中を這っていく。
そのいやらしい手つきに、私はまた啼かされ、感じて蜜をはしたなく垂らし。
攻める『彼』に、頑張って抗議したが……
「のぶっ…様ぁ……も、もう、やめっ……」
「信長様ではありません、貴女の執事の『信』ですよ、お嬢様」
聞き入れてはもらえず、私はまた敏感に肌を震わせた。
執事の『信』。
彼が誕生したのは、ほんの一刻前の事──……
その日、私は信長様に呼ばれ、天主に居た。
南蛮の商人から面白い物を貰ったから、見に来いと言うご命令で。
本当に信長様は目新しいものが好きだな。
そんな事を思い、天主を訪れたのだけど……
そこで信長様にした、ある『お願い』がそもそもの始まりだったのだ。
「わぁっ…綺麗な服ですね、生地もすごく肌触りがいいし……」
天主で、信長様から手渡された『商人からの貰い物』を手に、私は感激の声を上げていた。
とても上等な生地で縫われた、西洋の服。
それは、私が現代に居た時のものによく似ていて、どこか懐かしさを覚えたのも、もちろん。
針子としても、その丁寧かつ繊細に作られたその服に、ワクワクと高揚感を覚えていた。
「貴様なら気に入ると思っていた、良い顔をしている」
「はい、とっても気に入りました!私の居た時代の服にも似ているので、なんだか懐かしいし」
「ほう、それは興味深い」
脇息にもたれて満足そうに笑う信長様。
私は手に持っている服を一回下に置き、再度違う服に手を掛け、それを広げた。
それを見て、ついびっくりして……
私は思わず、上ずった声を上げた。