〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第34章 胡蝶ノ乱舞《後編》❀秀吉 × 光秀❀
「政宗、二人から取り上げた香は、きちんと予定通りに女中に頼んでいるか」
「はい、美依が湯浴みする際に、美依の身体に香を付けるように取り計らっております。女はあの香には反応しませんから、二次被害は無いでしょう」
「で、香の残量は」
「────昨夜、全て使い切ったと」
「……そうか、美依は熟した果実になったわけだな」
「香の成分は今、身体に溜まり…最高潮に美依は感度が高まっているはずです」
「肌から吸収してしまったから、香り自体は漂わない…それは少し残念であるが。疼くような香りとやらを実感したかったのだがな」
「どうしますか、信長様」
「────近々、貴様も天主に泊り込め、政宗」
「かしこまりました……楽しみでなりません」
「確かに」
「美依は今、淫魔と化している。どれだけ淫らに艶やかに、その淫靡な羽根を広げるやら……蜜なる華となり、また淫乱蝶々となり、咲き誇って舞うのだろう。静かな夜に、甘美な悲鳴を上げてな」
────蜜香、廻る
一度、手にしたら最後
それは己を壊すまで毒は巡る
馨しい香りに魅せられて
群がるは淫らな蝶々達
無垢な蜜華はいつしか自分も蝶のように
羽根を広げて、舞っては踊り
色香の放つ蜜を零すのだろう
今は、ひと時安らぎを与え
淫らに舞うその日まで、その羽根を休めて眠れ
目覚めたが最後──……
待っているのは、極限の快楽坩堝
泡沫に誘いし、蜜夢にたどり着くまで
ねんねんころりよ、おころりよ
良い子で眠れ、蜜毒宿した、淫らな姫よ
胡蝶之乱舞は、
華舞う蜜夜に、静かに激しく舞い降りる──……
《胡蝶之乱舞〖後編〗》
終