〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第33章 胡蝶ノ乱舞《前編》❀秀吉 × 光秀❀
「今すぐ、その身体にたっぷり解らせてやる。悪い事をしたなら、ちゃんと罰は受けないとな、美依?」
「安心しろ、お前が逃げないように繋いでいてやる。さぁ、夜の蜜宴の始まりだ」
(……っっ!!)
声も出なかった。
私は二人をいいように弄んだとして……
『仕置き』を受けるのだと。
それが一体どんなものなのか、想像すらつかない。
それが、さらなる地獄の始まりだとも知らずに。
私は二人を見上げるしかなかった。
────その時、一羽の蝶々が部屋に迷い込んだ
無垢で艶やかな、美しい羽根を広げ。
ひらりひらりと空を舞う
まるで、行われている淫事に気付かぬように
しどけなく咲いた蜜華は、今日も爛漫に。
咲き誇っては、泡沫を夢見る。
妖しくも儚い、淫らな蜜夢を。
それは魅入られたものの負け。
吐息を混ぜ合わせ、堕ちていきましょう。
そして、駆け上がる。
淫らな羽根を広げた蝶々の、
描く世界は、胡蝶之乱舞──……
《胡蝶之乱舞〖前編〗》終
《胡蝶之乱舞〖後編〗》に続く──……