〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第31章 〖V.D企画〗甘い恋人-家康編-❀徳川家康❀
《甘い恋人-家康編-、後日談❀·°》
「で、家康。美依の肌はどのくらい温かかった?」
(……また、始まった)
美依と想いが通じ、物置で身体を重ねた数日後。
俺は少し…いや、かなりうんざりしながら、光秀さんと対峙していた。
『ばれんたいんでー』に、俺と美依をくっつけようと、強行突破で俺達を物置に閉じ込めた、秀吉さんと光秀さん。
まぁ、そのおかげで俺達は気持ちを通わせ合い……
俺は焦がれて止まなかった、美依を抱くことが出来た。
だから、きっと感謝せねばならないのだろう。
────しかし
「……別に、普通ですよ」
「俺は普通と言うものが解らなくてな、美依を貸してくれれば確かめる事もできるが……」
「……っっ、お断りします!」
「まぁ、そう怒るな、冗談だ。だが、褥以外で抱くのは、よほど燃えるのだろう。痕は消えたか、ん?」
(本っ当に…いい加減にしなよ……?!)
秀吉さんと光秀さんに、物置で美依を抱いたと言う事を知られてしまい。
特に光秀さんは、顔を合わせる度に、この調子だ。
俺をからかって、ニヤニヤして……
完っっ璧に遊ばれている。
首筋の痕なんか発見されなければ……
と言っても噛んだ張本人、美依を責める事なんて出来ないけれど。
「もうすっかり消えましたから、ご心配なく」
「嘘を付くな、しっかり残っているぞ?」
「えっ…そんな筈……!」
「冗談だ。なんだ、また付けられるような事をしたのか?」
慌てて首筋を押さえれば、またからかったような視線と共に、揚げ足を取られた。
本当にタチが悪いぞ、この人……!
なんとか、ひと泡吹かせてやれないものか。
と、言っても弱点らしきものは知らないし……
光秀さんを目の前に悶々と考えていると。
「あ、家康!光秀さん!」
明後日の方角から、美依がパタパタと小走りに走って来た。
手には何かを抱え、息を弾ませる美依。
可愛いな……と思いつつも、二人で居たら余計光秀さんにからかわれるんじゃないか。
そんな事を思い、傍に来た美依を若干促すように肩を抱く。